【食べる瞑想】「りんごエクササイズ」でマインドフルネスを実践!効果とやり方を解説
日々の生活の中で、まるで「自動操縦」されているかのように感じることはありませんか?
次にやるべきことや悩みなどの「思考」に追われ、目の前の食事すら作業のようにただ口に運んで飲み込む……。
そんな「マインドレス(心ここにあらず)」な状態が続くと、脳は疲弊してしまいます。
そこで今回は、食事を通して「今、ここ」を取り戻すマインドフルネスの実践法、「りんごエクササイズ(食べる瞑想)」をご紹介します。
マインドフル・イーティングとは?「自動操縦」からの脱却
私たちは普段、食事を無意識の「作業」として処理しがちです。
「りんごエクササイズ」とは、この自動操縦モードを解除し、食べるという行為そのものを五感で深く味わう体験へと変えるトレーニングです。
初めて見る食材のようにりんごを観察し、香り、食感を丁寧に感じることで、意識を「過去や未来の思考」から「現在の体験」へと引き戻します。
りんごエクササイズを行うメリット
このエクササイズを実践することで、以下のような変化が期待できます。
- 「今、ここ」に集中する力の向上
雑念(マインドレス)と、集中している状態(マインドフル)の違いを体感できる。 - 思考との距離感の変化
思考に振り回されるのではなく、思考を客観視できるようになる。 - 幸福感の向上
日常の些細な行為に喜びや豊かさを感じられるようになる。
りんごエクササイズのやり方(3ステップ)
それでは、実際にりんごを使った「食べる瞑想」の手順を解説します。
ポイントは、「宇宙人が初めて地球の果物(りんご)に出会ったつもり」で行うことです。
1. 観察する(視覚・嗅覚・触覚)
まず、りんごを手に取り、じっくりと観察します。
- 視覚: 形、色、ツヤ、ヘタの形などを詳細に見ます。
- 触覚: 手のひらに乗せた重さ、表面の感触、温度を感じ取ります。
- 嗅覚: 鼻を近づけ、どのような香りがするかを十分に感じます。
2. 一口かじる(聴覚・触覚・味覚)
次に、皮ごと一口かじります(まだ飲み込みません)。
- 口に入れる瞬間の唇の感覚を感じます。
- 歯が果肉に食い込む音や感触、口の中に広がる果汁の広がりを意識します。
3. 噛んで飲み込む(内部感覚)
ゆっくりと20~30回ほど噛みます。
- 噛むごとに変わる味や食感の変化を感じ取ります。
- 飲み込む意図を持ち、喉を通って食道、胃へと落ちていく身体の感覚まで深く観察します。
Memo: レーズンでもOK
マインドフルネスのプログラム(MBSR)では、レーズン(干しぶどう)を使う方法も有名です。
1粒のシワを観察し、口の中で転がし、味の変化を感じてから飲み込みます。
りんごがない場合はレーズンでも同様の効果が得られます。
日常生活への応用|最初の一口を変えてみる
りんごエクササイズで「味わう感覚」を掴んだら、いつもの食事にも応用してみましょう。
全ての食事でこれを行うのは大変ですが、「最初の一口だけ」意識するだけでも効果があります。
- 温かい料理
湯気の形や温かさを感じる。 - 味噌汁やご飯
香りをかぎ、舌触りを意識してから飲み込む。 - お茶やコーヒー
カップの温かさと香りを深く吸い込む。
また、食事だけでなく「シャワーを浴びる水圧を感じる」「歩く時の足裏の感覚を感じる」など、日常の動作一つ一つに意識を向けるだけで、その瞬間がマインドフルな瞑想の時間に変わります。
まとめ
「りんごエクササイズ」は、忙しい現代人が失いがちな「感じる力」を取り戻すためのシンプルな方法です。
思考のループに疲れた時は、ぜひ目の前の食べ物をじっくりと観察し、味わってみてください。
その数分間が、脳を休ませ、心を整える貴重な時間となるはずです。



